松山市の歯医者なら、はやし歯科

CHILD

小児歯科について

むし歯の治療は、誰もが嫌だし、怖いものです。特に、“感染の窓”の時期の、3歳以下のお子様が、一般的な治療方法で、むし歯治療の必要性を理解し、恐怖心を克服して、お口を開け続けるということは、ほとんど不可能に近いと言えます。当院では、緊急性が無い場合、歯科医院に恐怖心を持っているお子様に対して、いきなり歯を削るということはしません。先ずは、自分からチェアにゴロンして、お口を開けてもらえるように誘導していきます。誰でも初めての人や場所は緊張しますよね?小さいお子様なら尚更です。

このため、小学生までのお子様には、なるべく怖がらずにすむための配慮が必要です。例えば、お子様への接し方や、歯科治療のための器具や、薬剤の取り扱いなど、さまざまな配慮が必要です。

しかし、お子様が、泣くから、怖がるから、ということで、治療をしなくて良いということはありません。乳歯のむし歯は、永久歯のむし歯と比べて進行が早く、痛みが出にくい傾向があります。そのため、いつの間にかむし歯がかなり進行していることがよくありますので、緊急性の高い場合は、どうしても治療が必要になります。この時、お子様の安全を確保しつつ、確実に治療する診療体制と技術が求められます。

また、乳歯は通常5歳半から10歳くらいまでの間に、永久歯に生え変わります。乳歯には、次に生えてくる永久歯を適切な位置に誘導したり、永久歯が生えてくるスペースを確保したりする重要な役割があります。通常は、永久歯の萌出する際は、永久歯が先に生えている乳歯の根っこを吸収しながら、乳歯のあった場所に向かって生えてきて、永久歯と交換されますが、大きなむし歯の治療をした乳歯などは、うまく乳歯の根が吸収されなかったりして、永久歯が正しい位置に生え変わらない場合があります。この場合は、早めに乳歯を抜歯するなどして、永久歯の正しい生え変わりを促す必要があります。また、最近のお子様はお顔が小さく、そのため顎も小さい傾向にあり、お子様の歯のサイズと、顎のサイズの調和がとれず、矯正が必要になる場合もあります。このようなことからも、むし歯治療終了後も、ご家族がお口の中をチェックし、定期的に歯科医院を受診し、検診や早期の治療などによる予防が必要になります。

むし歯にさせないための
治療

むし歯に強い歯を作るフッ素塗布

フッ素は、小魚やホウレン草・イチゴにも含まれる自然界に存在する物質です。

フッ素入りのうがい薬を、500ml一気飲みするような、大量摂取は危険ですが、歯科医院のフッ素塗布程度なら、有害なものではありません。

フッ素は、歯の質を強くする効果があります

歯の表面にあるエナメル質を構成するハイドロキシアパタイトは、乳歯や生えたばかりの永久歯の場合、まだ未熟で結晶が弱い状態です。その結晶に、フッ素を導入することで、結晶が安定(フルオロアパタイト)し、酸に溶けにくく(=歯を強く)します。

フッ素は、歯の修復を進める効果があります

一度溶けてしまったエナメル質を、再び結晶化を促進する働きがフッ素にはあります。このため、初期むし歯には、先ずはフッ素塗布をして、定期検診のたびに経過観察します。

※ある程度進んでしまったむし歯には効果がありませんので、早めの治療が必要になります。

フッ素は、歯垢(プラーク)の生成を抑える効果があります

歯垢の中に、フッ素が停滞することで、むし歯菌が活発に働くのを阻止したり、むし歯菌にむし歯の原因となる酸を作らせないようにしたりしています。

歯を削ることなく予防できるシーラント

6歳前後以降に生えてくる奥歯の永久歯は、溝が深く、汚れが溜まりやすい状態です。この溝の部分に、むし歯がないうちに樹脂を詰めて、汚れが溜まらないように予防する方法が、シーラント処置です。歯の溝にできるむし歯は、できてしまうと、気づいた時にはかなり深いむし歯になることが多いので、歯を削らず、治療時に痛みも出ない治療で、むし歯を予防するという点がとても重要です。また、シーラントには、フッ素が含まれており、副次的な効果で、歯質の表面を強化する効果も見込めます。

歯科衛生士によるブラッシング指導

歯科衛生士とは、歯科疾患の予防や口腔衛生の向上のため、歯や口腔をはじめとする健康づくりをサポートする専門職です。当院では、国家資格に加え、現在子育て中や子育て経験があるスタッフが、ブラッシング指導を行います。皆様の歯並びや、口腔関連の習癖・歯磨きの癖や、どのような部分の歯磨きが足りないか、など、歯のクリーニングなどを通じて、観察し、担当歯科医師の指示も仰ぎながら、皆様の状況に応じた指導をいたします。

ご自宅でできるセルフケア

乳歯はむし歯になっても、永久歯と生え変わるから、放置していても大丈夫!と思ってしまう方もいるようですが、“感染の窓”の時期以前から、歯や歯茎のケアをすることは、その後のお口の中の環境を良くなることにもつながります。歯科医院に対しての恐怖心を軽減させたりするために、大変重要です。小さなころから、ご自宅でセルフケアをすることで、ご自分の口腔内の状況を把握し、気になることがあれば、早めに歯科医院に相談に行ける環境作りをすることで、一生、ご自分の歯で食事ができる確率も上げられますので、ぜひご自分の歯に興味を持ち、セルフケアの重要性を心に留めていただきたいです。

ブラッシング

むし歯が多発する場所は、①歯と歯の間、②歯と歯茎の境目、③歯の溝、です。この多発部位の歯垢(プラーク)をブラッシングで除去することは、むし歯予防につながりますので、皆様の歯垢沈着状態を確認しながら、最適なブラッシング法を指導させていただきます。ご家庭でも、普段から行うブラッシングはもちろんですが、特に3の倍数の時期(=3歳・6歳・9歳・12歳の時期)は、特に、以下のことに注意しながら、お子様のブラッシング状態を確認してみてください。

  • 3歳

    乳歯の生え終わりの時期です。上下左右5本ずつ、全部で20本生えていますか?歯と歯の間に隙間があるのは、後に生えてくる永久歯の大きさのために必要な隙間ですので、歯と歯の間のブラッシングに注意しましょう。

  • 6歳

    6歳臼歯(永久歯)から、永久歯の生え変わりが始まります。永久歯は、これからずっと使い続ける大事な歯です。生えたばかりの歯は、むし歯になりやすいので、乳歯同様、フッ素塗布も続けて大切にケアしましょう。

  • 9歳

    犬歯(前から数えて3番目の歯)や小臼歯(前から数えて、4番目・5番目の歯)が生え変わります。歯並びなどにも注意して、気になる場合は歯科医院で相談しましょう。

  • 12歳

    12歳臼歯(第二大臼歯=前から数えて7番目の歯)が生えて、これですべての永久歯が生え揃います。(※親知らず=前から8番目の歯は、1番最後に生えるのですが、生えるスペースがなく、横や斜めに生えたり、骨の中に埋まったまま生えてこなかったり、元々ない人もいます。)奥歯は、噛むときの力を支えるとても重要な歯です。歯ブラシやフロスを使って、むし歯ゼロの状態をキープしてください。

栄養バランスのとれた食事

ブラッシングでむし歯予防をすることは、とても大切ですが、せっかくブラッシングが上手にできていても、食生活がみだれていたら、その効果も低くなりますので、食事の内容はとても大事です。
糖質の消化に必要なのが、ビタミンやカルシウムなどですが、糖質を多く摂取すると、その分、多くのビタミンやカルシウムが必要になり、本当に必要な場所で足りなくなってしまうので、歯茎や、歯茎を支える顎の骨にも影響が出ます。
砂糖を摂りすぎると血糖値が上がり、身体が血糖値を下げようと低血糖(めまい・急激な眠気、神経過敏など)になり、そのことでまた血糖値をあげようとすると、アドレナリンの働きで、食いしばりや歯ぎしりが起きたりもします。
栄養バランスのとれた食事は、健康で丈夫な歯を維持するだけでなく、歯や顎や、それらを支える筋肉や骨にも欠かせないのです。

よく噛んで食べさせる

よく噛んで食べることは、唾液の分泌を促します。

唾液には、

  1. むし歯から歯を守ってくれる働き
  2. むし歯菌や食べ物の食べかす(食物残渣)を洗い流す働き
  3. お口の中の酸性の状態を、中性に戻す働き
  4. むし歯になりかけた歯を再石灰化させる働き

がありますので、よく噛んで食べることが大切です。
少ない咀嚼回数で、飲み込む癖がある場合は、一口食べたら、噛む回数を数えたり、一旦お箸をおいてみる、など、ゆっくり噛んで飲み込む癖をつけるようにしましょう。

おやつのあげ方

おやつは、お子様にとっては、栄養源でもあり、あげること自体は何も問題はありません。
しかし、甘いものの食べ過ぎは、食欲が減ったり、糖分の取り過ぎで、栄養バランスが崩れたりすることもありますので、注意が必要です。
特に、“感染の窓”の時期(3歳未満)のお子様にはチョコレートや飴はあげないようにしてください。小さい頃から甘いものを好む傾向になると、味覚が未発達な分、好き嫌いが多くなったり、偏食、小食、肥満の原因になったりします。

食事をすると、お口の中が必ず酸性になります。その後、唾液の作用で、中性に戻り、再石灰化が行われますが、おやつをダラダラと食べてしまうと、酸性のままの状態が続いてしまうため、あっという間にむし歯が進行してしまいます。
好きなだけおやつをあげるのではなく、時間を決め、就寝前などに与えるのは避けるように気を付けてください。

当院での怖がる
お子様への治療法

お子様が嫌がっているのに、歯科医院に連れて行かなくてはいけない状況は、お世話をされる方にとって、とても心苦しいことです。
歯のトラブルは放置しても改善されることはありません。
当院のスタッフは、全員子育て経験がありますので、なるべく早く対処できるように、治療以外のお話もしながら、コミュニケーションを大事にして、お子様自身が積極的に通院できる環境作りを心がけております。
治療後も、たくさん褒めてご褒美なども用いながら、緊張した心をコントロールできるように細心の注意を払っていきます。