松山市の歯医者なら、はやし歯科

PERIODONTAL

歯周病治療について

“歯周病”は、歯周病菌の感染により、歯肉に炎症を起こしたり、進行すると歯を支える骨が壊されたりする病気です。
歯周病には、さまざまな種類が存在します。
症状や状態によって、特徴や進行度合い、治療方法が異なりますので、症状が深刻になる前に、歯周病の原因となる歯垢や歯石を、溜めたり、増やしたり、しないようにすることが重要です。

歯茎に腫れがみられる段階は、歯肉炎と呼ばれます。思春期を迎えたお子様は、ホルモンバランスの崩れによって、歯茎が腫れる場合があります。歯肉炎の状態を放置してしまうと、歯周病に移行してしまうケースもあるので、要注意です。

軽度の症状であれば、日々のブラッシングや歯間ブラシ、デンタルフロスのケアを、ご自宅で行いながら、当院で丁寧に歯石除去を行うことで、改善されていくこともありますので、普段のケアから進行を阻止するよう、予防を心がけるようにしましょう。

歯周病の進行

  • ①健康な状態

    歯茎は薄いピンク色で、引きしまっています。歯と歯茎の間に、0.5~2mm程度の隙間があります。定期検診で、歯肉炎がないか確認し、歯茎の上の歯垢や歯石を除去するだけで済みます。

  • ②歯肉炎

    歯の周りに歯垢が溜まり、歯茎に軽い炎症がみられます。歯磨きの際に、出血することがあります。歯と歯茎の間の隙間が広がり始めている状態です。広がり始めた歯茎の隙間にある歯垢や歯石を除去する治療をします。

  • ③軽度の歯周炎

    歯茎の炎症が進み、歯を支える歯槽骨や歯根膜が破壊され始めます。何もしなくても、歯茎から出血が増えたり、飲み物がしみたりし始めます。歯と歯茎の隙間が増え、3~5mm程度の深さになります。歯茎の下に潜り込んだ歯垢や歯石を除去します。被せ物をやり替えて、汚れを溜め難くしたり、歯周外科治療を行ったりします。

  • ④中度の歯周炎

    歯茎が下がり、歯が長くなったように見えます。歯を支える歯槽骨が、歯周病菌によって、少しずつ溶かされ、歯を指で押すとぐらつくような感じがあり、食事の際に痛みが出たり、噛みにくかったりして、支障がこともあります。歯と歯茎の隙間の深さは、5~7mm程度になります。本格的な歯周病の治療や、動く歯を固定して、噛む力の歯の負担を軽減させたりします。

  • ⑤重度の歯周炎

    歯茎から膿が出たり、歯茎が真っ赤になったりします。歯槽骨が歯を支え切れなくなり、歯がぐらぐらして、食事の際もきちんと噛めなくなります。歯と歯茎の隙間の深さが7mm以上になります。残っている歯の歯槽骨にまで影響が及ばないように、抜歯をしなければならない場合もあります。

歯周病予防の方法

歯周病の治療が終了した後も、適切にプラークコントロールを行い、メインテナンスを続けていくことが、大切です。
これを怠ると、またプラークや歯石が溜まり、歯周病を再発させてしまうことになります。
毎日のブラッシングや定期検診を欠かさないようにして、お口の中の環境を良好な状態に保つことが、予防につながります。

正しい歯磨き

歯と歯茎の境目に、45度の角度で歯ブラシの毛先をあて、小刻みに動かします。
目的の歯に、毛先がちゃんと当たっているか、鏡を見ながら確認するように、1本ずつ丁寧に磨いてください。
その際、ゴシゴシと力をいれて磨くのではなく、やさしくゆっくりと力をかけずに磨いてください。力が弱くても、毛先が歯と歯の間に当たっていれば、汚れは落とせます。
歯磨きの苦手な方は幅広ヘッドで、歯面に接触する面積が広く、ひと磨きで広範囲を磨けるような歯ブラシがおすすめです。
細いブラッシング毛の毛束が多く、ブラッシング時の力を分散してくれるので、歯肉にやさしく安心です。柄が長く、グリップ部が太いので力のコントロールもしやすいです。
このように、それぞれの症状に合わせた治療を行うように、歯ブラシも、一人ひとりに合わせた歯ブラシをご提案させていただきます。
歯ブラシは、1ヵ月に1回のペースで新しい歯ブラシと交換するのも大切です。

よく噛んで食べる

よく噛んで食べることは、健康な身体作りや健康維持に欠かせません。
発育期には、顎の成長、発育を促したり、唾液の分泌を促して、酸性に偏ったお口の中を中性に戻したり、歯の石灰化を促したり、細菌の発育を抑制したりもします。
また、よく噛むことで、唾液の消化作用はもちろん、細かく噛み砕くことで、胃腸の負担も防ぎ、時間をかけて食べるので、肥満予防にもなります。
それに加え、噛むときに咀嚼筋や表情筋が使われて頭部に血液が運ばれたり、頭部や歯を支えている組織が脳を刺激したりすることで、脳が活性化され、認知症予防の効果も期待できます。
このように、よく噛んで食べることで、色々な効果が期待できるのです。

生活習慣の改善

  • 食生活の改善

    食事はバランスのとれたものにしましょう。食物繊維の多い野菜や小魚など噛みごたえのある食物をよく噛むことで、顎の骨を丈夫にし、歯の表面に付着した細菌や、付着物が除去されます。日本人は、カルシウムが不足しがちです。丈夫な歯をつくるためには、カルシウムやリンなどのミネラルのほかに、良質のたんぱく質やビタミンA・C・Dなども摂取するようにしましょう。

  • 睡眠を十分に取る

    睡眠不足になると、食欲も湧かなかったり、身体の抵抗力が落ちて、病気になりやすくなったりします。昼は交感神経、夜は副交感神経が優位に働くように自然な切り替えをするためにも、睡眠のリズムを確保することは重要です。忙しくても、充分な睡眠をとるように心がけ、睡眠時無呼吸症候群や歯ぎしりなど、気になることがあれば、当院に相談するようにしましょう。

  • ストレス解消

    仕事など、忙しい方々は、なかなかゆっくりできる時間が持てません。また、多忙によるストレスで暴飲暴食を招いたりすると、お口の中も清潔を保てなくなったりもします。責任感が強く、真面目な方は、つい頑張りすぎて、無理をしてしまい、歯ぎしりや食いしばりにつながることもありますので、時にはリフレッシュしてストレスを解消するようにしましょう。

  • 適度な運動

    うっすらと汗をかく程度の運動ができればよいのですが、難しければ、1日に数分、ラジオ体操などの運動をするだけでも良いので、運動の習慣をつけることは大切です。運動することで、免疫機能を向上させたり、生活習慣病を予防したり、転倒を防いだり、脳の活性化させたりします。若いころから習慣づけしているのはもちろん、年齢が上がってからでも、十分な効果がありますので、運動の習慣をつけるようにしましょう。

喫煙

タバコは、肺がんや脳卒中、心筋梗塞などの深刻な原因になるばかりでなく、歯周病の進行にも大きな影響を与えています。タバコの煙に含まれる一酸化炭素は、組織への酸素供給を妨げ、ニコチンは、血管を縮ませ、身体の酸欠や栄養不足を招きます。ニコチンは免疫機能や病気に対する抵抗力も下げ、組織の治癒を遅らせます。また、タバコのヤニは、歯の表面に残り、ざらつくことで、細菌が付きやすく、いつまでもお口の中や歯茎にニコチンが染みだし続けることになり、傷を治そうとする線維芽細胞の働きも抑えるので、治療の予後にも影響します。最近は、受動喫煙による周囲への影響も問題になっています。習慣になっていることをやめるのは難しいことですが、タバコを止めると、すぐに歯茎に良い影響が現れます。数日後には、歯肉の血流量が増え、炎症が軽減し始めます。10年後にはタバコを吸わない人と同じレベルに回復しますので、禁煙を目標にタバコの本数を徐々に減らすようにしましょう。